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コラム

公開日:2025.08.08 / 
最終更新日:2025.08.08
「あさレポ」サポート担当

マイカーを業務利用するなら要注意!企業が取るべき車両管理のポイントと対策

近年、社有車の台数削減や業務効率化の背景に、従業員が自家用車(マイカー)で営業先や現場に向かう「マイカーの業務利用」があります。特に地方や郊外など車移動が欠かせない場合は、マイカーでの移動が当たり前という企業も少なくありません。
しかし、「従業員の自家用車だから、点検や管理は個人任せで問題ない」と考えてしまう風潮が根強く残っているのも事実です。
業務中にマイカーを運転している際の事故件数は近年増加傾向にあります。しかし、社有車でなくても業務に使用している以上は企業の責任が伴います。

本コラムでは、マイカーの業務利用に潜むリスクや事故の傾向を踏まえ、安全運転管理者が取り組むべき車両管理のポイントや、それらを効率よく実現するための仕組みについて紹介します。マイカーの業務利用を安全に、そして確実に管理するためのヒントをぜひご一読ください。

マイカーの業務利用

マイカーの業務利用時の事故リスクは高い

マイカーを業務で使用する際、見落としがちなのが事故リスクの高さです。自家用車はもともとプライベートでの使用を前提としているため、業務での使用を想定した管理や安全確認が不十分な場合があります。

実際、国土交通省の資料を見ると、整備不十分に起因する事故の中で車輪脱輪事故の件数は、令和5年度に142件発生し、死亡事故に発展しているケースも少なくありません。特に、車輪脱輪事故の主な要因は、タイヤ交換時の作業不備とタイヤ交換後の保守管理の不備とされ、日常での点検の甘さを示す結果となっています。業務とプライベートで車を兼用している場合は使用頻度が高くなる傾向にあるため、走行距離やタイヤの溝の深さなどの劣化が一般的な使用可能年数よりも速まる可能性があります。このデータからも、ドライバーによる運転前の車両点検や整備などが不十分なことが、事故の一因となっていることが分かります。

※参考資料:国土交通省「車輪脱落事故の発生状況より」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t2/t2-1

社有車であれば、企業が定期的に点検・整備を行い、ドライバーの体調や酒気帯びの有無を確認できますが、マイカー利用ではこうしたチェックが属人的になりがちです。その結果、「車両の状態」「ドライバーの体調・コンディション」「走行距離の記録」といった安全管理の基本が抜け落ちやすくなります。

従業員の自家用車だからといって管理を怠れば、それは企業として重大なリスクを見逃すことにつながります。特に安全運転管理者を選任する義務のある事業所では、マイカー利用も管理対象として捉え、社有車と同等の安全管理対策を講じる必要があります。

マイカーも“社有車と同じ意識”で管理するために

マイカーを業務で使用する場合でも、企業は社有車と同様の管理体制と安全意識を持つ必要があります。なぜなら、マイカーであっても業務中に事故が発生すれば企業が責任を問われる可能性が高いためです。

たとえば、安全運転管理者の業務として、道路交通法施行規則 第9条の10 第5号では次のように定められています。

運転しようとする運転者に対して点呼を行う等により、道路運送車両法第四十七条の二第二項の規定により当該運転者が行わなければならないこととされている自動車の点検の実施及び過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。

引用:e-GOVより「道路交通法施行規則 第9条の10 第5号」
https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000002060#Mp-Ch_2

この法令について、警察庁からも具体的な点呼の方法や点検の有無についての参考資料が公開されています。

※参考資料:宮城県警 解説PDF「安全運転管理者が行う点呼等の実施」
https://www.police.pref.miyagi.jp/kikaku/ankan-todokede/pdf/ankan-tenko.pdf?utm_source=chatgpt.com

ドライバーは自動車を運転する前に、当該自動車の点検を行い、その異常の有無を日常的に確認しなければなりません。特に安全運転管理者を選任する義務のある事業所においては、業務利用されるすべての車両(マイカーを含む)を適切に管理する責任があるとされています。

マイカーの業務利用で事故を未然に防ぐため企業が対策すること

企業がマイカーの業務利用で事故を未然に防ぐため最低限行うべき管理は、以下の3点です。

1.ドライバーの状態確認

業務前のアルコールチェックや体調の確認は、マイカー使用時にも必要です。これは法令上、白ナンバー車であってもアルコール検知器によるアルコールチェックと測定データの保存が義務付けられています。
また、体調不良や睡眠不足など、飲酒以外のリスク要因も見逃せません。現場任せにせず、運転前にドライバー自身のコンディションをチェックする仕組みが求められます。

2.車両の日常点検

自家用車は、整備・点検の頻度や水準がまちまちであるため、社有車よりも整備不良のリスクが高い傾向にあります。特に、空気圧不足のタイヤやワイパーの劣化など、日々の確認で防げるトラブルは少なくありません。
タイヤの空気圧やブレーキの利き具合など、基本的な点検項目を確認することで、整備不良による事故を未然に防ぐことができます。企業は、従業員に車両の運転前後に点検項目をチェックさせ、記録を残す体制を整えることで、こうしたリスクを軽減できます。

3.走行履歴の記録

走行ルートや目的地、使用時間などの記録は、事故やトラブル発生時の対応・証明にも不可欠です。事故発生時の証明だけでなく、労務管理の観点から移動時間の把握、ガソリン代、保険の整合性確認などの走行履歴の記録は企業の管理にも必要です。
また、業務外での車両の私的利用や不正使用を未然に防ぐ意味でも、使用前後の記録の見える化は有効です。特にGPS機能や日報システムと連携させることで、無理のない運行計画や労務負荷の把握にもつながります。

このように、マイカーを業務利用する場合でも、ドライバー・車両・走行記録を“見える化”して管理することが、企業に不可欠な安全対策です。

【解決策】煩雑なマイカー管理には「あさレポ」が有効

前章で紹介したように、マイカーの業務利用をする場合、企業は社有車と同等の管理が必要です。
しかし、自宅からマイカーで出社や客先訪問をする場合などに紙のチェック表や口頭の点呼などアナログ的に運用するのは、管理者・ドライバーの大きな負担になります。

そうした現場の課題に応えるツールとして、多くの企業で導入されているのが、運転前アルコールチェック&検温クラウドサービス「あさレポ」です。
「あさレポ」のマイカー業務利用に役立つ機能を紹介します。

※鈴与シンワート指定の検温機能付きアルコール検知器利用時に検温が可能です

1.遠隔でも確実にアルコールチェック&点呼

「あさレポ」なら、ドライバーが出社しなくてもスマホでアルコールチェックを実施できます。そのため、マイカーを業務利用する場合に多い、直行直帰の場合でもアルコールチェックデータ記録が管理できます。
また、ビデオ通話による点呼機能があるため、遠隔地での出発前確認もドライバーの顔を確認しながら実施することが可能です。

2.心と体の健康チェックをセットで実施

体調不良やストレスによる判断ミスは、重大事故の要因になる可能性があります。「あさレポ」には、体調チェックに加えて心の健康状態も記録できる体調記録機能が搭載されています。

これは日々の安全運転だけでなく、ドライバーの健康維持や早期フォローアップにも役立ち、職場全体の安心感につながります。

3.自動走行記録で簡単にデータ管理

「あさレポ」のルート記録は、スマートフォンのGPSを使用して走行ルートや距離を自動で記録できる機能です。さらに、正確な交通費の精算や日報の作成にも活用でき、労務管理でも有効です。
これまで「誰が・どこへ・何の目的で」走ったのかを把握しづらかったマイカーの業務利用も、記録が自動で蓄積される仕組みがあれば、管理者の目が届きやすくなります。

4.車両点検項目を統一!国のガイドラインに準拠

「あさレポ」は統一された基準に基づいた運転前の車両点検の運用を実現します。
「あさレポ」のアプリには、国土交通省や日本自動車整備振興会連合会が推奨する15項目の点検内容があらかじめ登録してあるため、チェックリストを作成したり、現場ごとに独自の項目で管理して、本社が一元管理しづらくなることがありません。必要に応じてチェック項目の追加・削除することも可能です。

具体的な点検項目には、タイヤの状態、ブレーキの利き具合、ワイパーやライトの作動状況、エンジンオイルや冷却水の量など、事故予防や走行中のトラブル回避に直結する基本点検項目が網羅されています。

特にマイカーを業務利用する場合は、車両の状態が管理者からは見えづらいため、こうした国のガイドラインに基づいたチェックを毎日確実に行うことが、企業のリスク管理として極めて重要です。

さらに、「あさレポ」は、これらの点検が完了していないとアルコールチェックができないように設定することも可能です。点検の抜け漏れや形骸化を防ぐための仕組みとして役立ちます。車両点検の結果は、クラウドサーバ上に記録されるため、後から履歴を確認したい時や社内教育にも活用でき、安全運転への意識を高めることへつながります。

前述した通り、「あさレポ」は、アルコールチェックや車両点検、体調管理、走行記録など、安全運転に求められる管理項目を幅広く網羅したツールです。

ドライバーと管理者の負担を軽減しながら、安全運転に関する義務を実践できる仕組みとして、マイカーの業務利用を支えます。

マイカーを業務利用のまとめ

マイカーの業務利用は、社有車に比べて自由度が高く、ドライバー自身の裁量に任される場面も多いため、事故やトラブルのリスクが見えにくいのが実情です。企業による管理が不十分なまま事故が発生すれば、マイカーであっても、企業は「安全配慮義務を果たしていなかった」として、法的責任や社会的批判の対象となる可能性があります。
だからこそ、個々の意識に頼らず安全管理を仕組みとして運用できる体制が必要です。

アルコールチェック、車両点検、体調の把握、走行記録の管理——これら一つひとつを確実に行うことは、企業にとって努力義務ではなく安全配慮義務として求められるものです。そしてそれらを無理なく、現場に定着させていくには、日々の業務の中に無理なく組み込めるツールの活用が効果的です。

鈴与シンワートの「あさレポ」は、マイカーを使用した日々の業務においても、安全運転に必要な項目を網羅し、手間をかけずに記録・管理できる仕組みを提供します。
他にも、安全運転管理者に役立つ機能や管理業務のサポートに力を入れています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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