シンクライアントって何?①
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著:マーケティング部 コラム担当氏
第01回 2022.02.07 / 最終更新:2022.11.28
シンクライアントって何?①
技術の進歩とともに新しい専門用語が登場します。今回取り上げるのがシンクライアントという言葉です。皆さんはこの言葉を聞かれたことはあるでしょうか?専門用語は大まかな内容だけでも知っておくと何かの役に立つものです。シンクライアントについて調べてみましょう。
シンクライアントって何?
シンクライアントのシン(Thin)とは「薄い」とか「少ない」という意味です。また、クライアント(Client)とは「クライアント端末」を意味します。
即ち、シンクライアントとはクライアント側の端末での処理を限定的なものとし、アプリケーションを実行したり、データを保存したりという大かたの処理をサーバ側で行うという仕組みのことになります。
分かりやすく言うと、データ保存ではクライアント側の端末には保存せず、サーバ側で保存する方式と言うことができます。
私たちが普段使っているデスクトップ型PCやノート型PCはHDD(SSD)を搭載し、データを操作し端末に保存して使います。
このような端末を専門的にはファット(太った)クライアントと呼びますが、自身でアプリケーションの実行やデータ保存ができる端末ということになります。
シンクライアントはその真逆で、シン(薄い)クライアントということになります。
シンクライアントの仕組みとは?
シンクライアントは最低限の機能しか搭載していないクライアント端末です。端末への保存やダウンロードも不可能という、不要な機能をとことんそぎ落とした端末です。そんな端末を、インターネット通信を介することで使用するのがシンクライアントという手法なのです。
シンクライアント端末は、インターネットを使ってサーバと暗号化された通信を行い、サーバのサービスを利用するだけです。
シンクライアントの仕組みにおいては、クライアント端末が行うのはインターネットへの接続と、キーボードやマウスでの入力、画面への出力のみとなります。
シンクライアントが世界に広がったのはいつ?
1960年代から1980年代にかけての汎用機(メインフレーム)全盛期に、既にシンクライアントの基礎があったと考えられます。
メインフレームにおいては、強大な処理能力を持つ汎用機に、何人ものオペレーターが専用端末からアクセスするという、中央集権型とも言える仕組みが確立されていました。
この専用端末は「最小限の処理能力を持たせる」という、シンクライアントの基礎とみなすことができます。
1990年代に入るとWindows OSをマルチユーザーで使用するソフトウェアが出ています。当時PCはまだまだ高価なものでしたが、それらのPCを何台も使用する業務においては、業務の効率化に役立つだけでなくコスト削減にもつながりました。
2000年代には、サーバ仮想化技術とハードウェアの進歩により、シンクライアントは新たな段階へと入っていったと考えられます。
シンクライアントが普及しつつある理由とは?
シンクライアントが普及しつつある理由は、セキュリティ面、コスト面、機能面の3つの面で優れているからだと言われています。
セキュリティ面では、シンクライアントはそのシステムやデータの大部分をサーバ側で賄っているため、クライアント側のPC端末などに何かトラブルがあっても情報は守られます。
災害に遭って端末が壊れた、あるいは端末を紛失してしまったという場合でも、端末そのものには重要なデータが入っていないので情報漏えいの危険が少なく、また新しい端末を用意すればすぐに作業を再開できるという便利さがあります。
次にコスト面ですが、シンクライアントならば個々の端末にソフトをインストールする手間や費用を削減することができます。アップデートも個別に行う必要はなく、利用状況の一元管理が可能になります。
そして機能面では、端末のスペック上昇やインターネット環境の整備が進んでいるため、シンクライアントの使いやすさもどんどん向上している状況です。インターネットにつながっていればどこからでも作業ができるのは、今のリモートワーク時代にもマッチしています。
シンクライアントの環境の種類はどんな物があるの?
シンクライアントの環境の種類にはネットブート方式、ブレードサーバ方式、SBC方式、VDI方式の4種類があります。
ネットブート方式では、サーバ側でクライアント端末を制御し、サーバ上に保管されるOSのイメージファイルを読み取り利用しています。
クライアント端末での処理はほぼゼロで、サーバ側を中心に処理を実行するのが画面転送方式です。その中に、ブレードサーバ方式、SBC方式、VDI方式の3つがあります。
この中で操作性に優れているのがブレードサーバ方式です。サーバ性能が高くなくても対応できるのがSBC方式です。また、サーバ台数が少なくてもシンクライアント環境の構築を可能とするのがVDI方式になります。
シンクライアントについて①
シンクライアントとはクライアント側の端末での処理を限定的なものとし、データ保存などの大かたの処理をサーバー側で行うという仕組みのものです。シンクライアントの仕組みにおいては、クライアント端末が行うのはインターネットへの接続と、キーボードやマウスでの入力、画面への出力のみとなります。
この技術は2000年代のサーバー仮想化技術とハードウェアの進歩により新たな段階へと入りました。シンクライアントが普及しつつある理由はセキュリティ面、コスト面、機能面の3点で優れているからです。シンクライアントの環境の種類にはネットブート方式、ブレードサーバ方式、SBC方式、VDI方式の4種類があります。
この機会にシンクライアントという言葉の概略だけでも覚えておいて下さい。
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著者プロフィール(マーケティング部 コラム担当氏)
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