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コラム

公開日:2026.09.16 / 
最終更新日:2026.09.16
「あさレポ」サポート担当

アルコールチェック自動点呼とは?|自動点呼の定義や他の点呼方式との違いを解説

自動点呼とは、従来、運行管理者などの立ち会いが必要だった点呼(本人確認・酒気帯びの有無・体調確認・連絡事項の確認および記録)を、国土交通省の認定を受けた機器・システムを用いて、管理者の立ち会いなしで実施できるよう自動化する仕組みです。

早朝・深夜における管理者の立ち会い負担を軽減しつつ、点呼の抜け漏れや記録ミスを防ぎ、監査時にも適切に提示できる記録を残すことを目的に導入が進んでいます。

本コラムでは、自動点呼の仕組みと国土交通省が定める要件、点呼の流れ、ほかの点呼方式との違い、システム選定の観点を解説します。

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自動点呼の要件(国土交通省の定める要件)

自動点呼を制度に沿って適切に運用するには、国土交通省が定める「機器の認定」「施設・環境の整備」「運用体制の構築」の3つをすべて満たす必要があります。
自動化できる範囲と人が介入すべき範囲を切り分け、異常時の対応手順を事前に明確にしておくことが、監査対応と安全な運行の両面で重要です。

参考:国土交通省「運行管理高度化ワーキンググループ 遠隔点呼、自動点呼の実施に関する情報」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000082.html

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国土交通省認定機器の確認方法

自動点呼は、制度上求められる機能を満たした認定機器を使うことが前提です。
本人確認、酒気帯び確認、点呼結果の記録と保存、記録の改ざんを防ぐ仕組みなど、点呼の信頼性に直結する部分が機器の要件として定められています。

機器を確認する際は、メーカーが示す認定情報だけで判断せず、どの機器・システム構成が認定の対象に含まれるかを確かめることが重要です。たとえば、端末本体だけでなく、連携するアルコール検知器やアプリ、クラウド保存まで含めて認定対象になっているか、型番やバージョンの適用条件があるかを確認します。

実務では、導入時だけでなく運用中の更新にも注意が必要です。ソフトウェアの更新や機器交換の際は認定範囲から外れないかを事前に確認するルールを設けておくことが望ましいです。

設置場所と施設・環境の要件

自動点呼は、届け出た設置場所でのみ実施が認められており、機器を別の場所に持ち出して使用することはできません。設置場所を変更する場合は、改めて届出が必要です。

施設・環境として求められる主な要件は以下の通りです。

・点呼の実施中や終了後に運転者の様子を確認できる撮影機器を設置すること
・点呼を確実に実施できる通信環境を確保すること
・なりすましや機器の不正利用を防ぐため、運転者の全身を確認できる角度でカメラを設置すること
・機器をワイヤーロックなどで固定して持ち出しを防止すること

参考:国土交通省「遠隔点呼・自動点呼解説パンフレット」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000363180.pdf

社内体制とルールの設計

酒気帯びが検知された場合や機器が故障した場合に、運行管理者が対面で対応できる体制を整備することが求められます。自動点呼は点呼を自動化する仕組みですが、運行管理者の責任がなくなるわけではありません。

体制整備として押さえておくべき点は以下の通りです。

・機器の故障や通信障害の発生時に、対面点呼に切り替えられるバックアップ体制の構築
・点呼予定と実施結果を運行管理者が定期的に確認し、実施漏れを防ぐ運用ルールの整備
・自動点呼の開始前における、管轄の運輸支局長などへの実施予定日10日前までの届出
・運転者および関係者への操作方法・緊急連絡先を記載したマニュアルの整備と教育の実施

参考:国土交通省「乗務後自動点呼の要件とりまとめについて」(令和3年度第3回運行管理高度化検討会 資料3)
https://www.mlit.go.jp/common/001447573.pdf

参考:国土交通省「運行管理高度化ワーキンググループ 遠隔点呼、自動点呼の実施に関する情報」(届出書類一覧)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000082.html

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自動点呼の流れ

自動点呼では「本人確認→酒気帯び確認→必要事項の確認→記録・保存」を機器のガイドに沿って実施し、各ステップの証跡と点呼記録が一元管理できます。

基本的に、前のステップが完了しなければ次に進めない設計になっており、機器・システムの手順に沿って実施します。そのため、担当者や時間帯による点呼品質のばらつきを抑え、記録の抜け漏れを防ぐことができます。

自動点呼で注意が必要なのが、異常があった場合の対応と証跡の設計です。異常が検知された場合は、運行管理者などへの通知機能と、結果が自動で記録される仕組みがあると、事故防止と監査で説明を求められた際の対応に有効です。

自動点呼の基本フローを表した図解

顔認証によるなりすまし防止

顔認証は、点呼を受ける人物が本人であることを確認するための仕組みです。事前登録された対象者のみが点呼を進められる設計により、未登録者や、第三者による代理での点呼を防ぎます。

認証に失敗した場合の対応手順として、以下をあらかじめ定めておくことで、現場での運用を安定させることができます。

・再試行の回数
・照明や立ち位置の調整
・マスクや帽子の扱い
・管理者確認へ切り替える条件

なりすまし対策は、技術的な仕組みと運用設計の両面から整える必要があります。運用設計の観点では、たとえば、カメラの画角に収まる立ち位置を床面に表示して統一する、混雑しやすい時間帯の動線を分ける、認証時の様子を撮影しログを残すなどが考えられます。こうした運用体制の整備によって、なりすまし防止の実効性がさらに高まります。

アルコールチェックの手順と記録

アルコールチェックは、検知器の起動、呼気の吹き込み・測定、結果の記録と保存までが一連の流れです。自動点呼では、本人情報と測定値、判定結果、日時が自動的に紐づけられ、必要に応じて画像などの証跡も残せるため、紙による記録と比べて、記録の客観性や信頼性を高めることができます。

アルコールチェックの際に現場で問題となりやすいのは、測定エラーや不十分な呼気による失敗です。

こうした事態に備えて、再測定の条件、一定時間おいて再試行する際のルール、失敗が続く場合の切り替え手順をあらかじめ定めておくと、適切に対応することができます。

また、測定の精度と結果の信頼性は、日常的な機器管理によって左右されます。
以下の項目を管理することで、測定結果の正確性と信頼性を対外的に説明しやすくなります。
・センサの校正や交換のスケジュール
・交換履歴の記録
・故障時の代替機運用

アルコール検知時の対応フロー(乗務不可の判断・承認機能)

アルコールチェックを実施する際は、アルコールを検知した場合には点呼を完了できない設計にしておくことが重要です。アルコールが検知されたにもかかわらず、点呼完了と処理され、記録の一覧上で「実施済」とのみ表示された場合、管理者側からは一見問題なく点呼を完了したように見えてしまい、運行停止の判断が遅れるリスクが高まります。

アルコールを検知した場合の、運行管理者などへの連絡と遠隔確認や追加の状況確認など、必要に応じた代替点呼への切り替えまでを運用ルールとして定めておく必要があります。特に重要なのは、誰が、どの情報に基づいて最終的な判断をしたかを、後から確認できるようにしておくことです。

また、記録の残し方も事故防止と再発防止につながります。

以下の記録を時系列で残すことで、原因分析や監査時の説明に活用できます。

・通知ログ
・通話や確認の履歴
・再測定の結果
・最終判断とその理由

自動点呼と他の点呼方式の違い

点呼には複数の方式があり、適用要件・運用負荷・対応可能な時間帯や拠点などの特性が異なります。自社の勤務形態とリスクに合わせて方式を選定することが求められます。

点呼方式の種類とそれぞれの特徴を整理した画像

対面点呼

対面点呼は、表情や受け答えの異変を察知しやすく、その場で詳細を確認できる点が強みです。一方で、早朝・深夜の立ち会いといった負担が大きく、拠点が複数あるほど運行管理者の配置が課題になります。

IT点呼・遠隔点呼

IT点呼(遠隔点呼)は、運送事業者が、国が点呼告示で定める要件を満たす機器・システムを用いて、営業所で実施する点呼のことを指します。IT点呼の実施には、「Gマーク」を取得している営業所、または、取得していない営業所でも過去3年間に点呼に関する違反が無いなど一定の要件を満たしている営業所である必要があります。

遠隔点呼

遠隔点呼は、点呼告示に規定する遠隔点呼機器の要件を備えた機器・システムを用いて、営業所や車庫などで実施する点呼のことを指します。IT点呼と異なり、要件さえ整えばGマークの認定を受けていない事業所でも実施可能です。

映像や通話で点呼の実施状況を確認できるため、運転者と直接コミュニケーションを取りながら、管理者の負担を抑えて点呼を実施しやすい方式です。ただし、通信環境の影響や、時間帯によっては管理者側の対応が集中しやすいため、管理者のシフトや対応フローを含めた運用設計が必要です。

自動点呼

自動点呼は、あらかじめ定められた場所において、国土交通省の認定を受けた機器を用いて実施する必要があります。

自動点呼の特長は、自動化によって点呼を標準化できる点と、管理者が常駐しなくても点呼を実施できる点です。特に業務後自動点呼は、帰庫時間がバラバラな現場でも実施・記録漏れを防ぐことができ、乗務後の報告(ヒヤリハットや疲労状況)も記録しやすくなります。

どの方式も万能とは言い切れないため、対象拠点数、勤務時間帯の分散、異常時の対応体制を軸に、いくつかの点呼方式の組み合わせを検討するのが現実的です。

参考:全日本トラック協会 『「自動点呼」「遠隔点呼」「IT点呼」などの違いをポイント解説』
https://jta.or.jp/pdf/tenko/2025.pdf

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自動点呼システムの選び方

自動点呼システムは、機器単体ではなく、アルコール検知器や本人確認機能、クラウド連携・記録機能、アラート機能、承認フローの設定などを含む、システム全体を確認して選定することが、導入後の問題発生を防ぐポイントです。

選定の第一歩は、認定の対象となる機器・システムの範囲と、現場運用に必要な機能が揃っているかを分けて確認することです。国土交通省の認定を受けている機器・システムであることが導入の前提となります。

さらに、実務では、点呼計画の作成、対象者の管理方法、実施漏れや異常を通知するアラート機能、承認フローの設定、記録の検索性などが、業務効率と安全な運行の維持を左右します。あわせて確認しましょう。

次に確認するべきは、運用負荷を下げる機能設計です。たとえば、次の4つの項目を確認します。

・顔認証の成功率
・操作のわかりやすさ
・アクセス集中時の処理能力
・機器トラブル時のログ管理や復旧手順のわかりやすさ など

これらが不十分な場合、自動点呼が定着しにくく、対面点呼に戻ってしまう可能性があり、導入の効果が得られません。現場の動線や点呼実施のピーク時間を前提に、デモやトライアルで事前に確認しておくことが重要です。

最後に、データの扱いを確認します。以下の点は、導入後の運用品質に直結します。

・記録の保存期間や出力方法
・利用者ごとの閲覧権限の設定
・監査時に求められる記録の検索・提出のしやすさ
・他システムとの連携可否

点呼は毎日の業務であるため、管理画面の使いやすさとデータ設計の質が、現場で継続して使い続けられるかを左右します。

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自動点呼を導入する際のポイントのまとめ

導入時は、まず認定機器であることと、認定の対象範囲が自社の求める自動点呼の要件に一致していることを確認します。型番、連携機器、アプリやクラウド、バージョンなどの条件を確認しておくことで、運用開始後の構成変更によるリスクを抑えられます。

次に、設置場所を、制度上の要件を満たし、監査時に説明できる環境に整えます。なりすましを防止する導線、顔認証と測定が安定する環境、機器の固定と持ち出し防止、ネットワークの安定を確保することで、トラブルの発生を防ぎ、点呼品質を一定に保ちやすくなります。

最後に、機器・システムに異常がある場合の承認フローと代替手段、記録の保管方法と閲覧権限、従業員への教育と周知をあわせて、運用体制を整備します。

自動点呼は、業務を効率化する手段であると同時に、安全運行と説明責任を支える仕組みです。トラブルがあった際の対応手順と記録設計まで含めて運用体制を整えることが、導入を成功させるポイントです。

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