あさレポ

MENU

コラム

公開日:2026.07.15 / 
最終更新日:2026.07.15
「あさレポ」サポート担当

アルコールチェックの記録義務とは?記録簿の必須項目と運用ポイントを解説

安全運転管理者制度に基づき、業務で車を使用する事業者にはアルコールチェックの実施と記録・保存が求められています。法令改正により運用ルールが具体化されたことで、記録簿の整備・保管まで含めた管理体制の構築が不可欠になりました。

本コラムでは、アルコールチェック義務化の概要、記録簿の必須項目と実施手順、紙・クラウドそれぞれの管理ポイント、未対応時のリスクまでを一通り整理し、実務で迷わないための運用ポイントを解説します。

アルコールチェック義務化の概要

道路交通法施行規則の改正により、安全運転管理者の業務として酒気帯びの有無の確認、記録の保存、さらにアルコール検知器の有効保持が明確化されました。

参考:警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/index-2.html

アルコールチェックの実施状況を後から確認できるよう、必要事項を記録し、一定期間保存できる状態にしておくことが重要です。

記録簿は単なる書類ではなく、運用状況を可視化する管理ツールとして位置づける必要があります。

また、アルコール検知器を導入するだけで、安全が確保されるわけではありません。

誰が確認し、異常時にどのように対応・報告するのかまで定めてはじめて、飲酒運転の抑止効果が期待できます。制度の要求事項を把握したうえで、自社の運用手順に落とし込むことが実務対応の第一歩となります。

義務化の背景と目的(飲酒運転防止の強化)

アルコールチェック義務化の概要がまとめられている画像

この義務化の背景には、白ナンバー車を含む業務使用車両による飲酒運転事故が発生したことを受け、令和4年の道路交通法施行規則改正により、企業における安全管理体制の強化とその責任の明確化が図られたことがあります。ドライバー個人の自制に委ねるだけでは限界があるため、企業が確認と記録を通じて飲酒運転を抑止する必要があるという考え方です。

アルコールチェックの実施と併せて、記録の長期保存が求められるのは、運転者本人の申告だけでは客観性が十分とは言えず、事故や監査の局面で「いつ、誰が、どう確認したか」を説明できないためです。記録が残ることで、現場での確認漏れや形骸化の抑止効果が高まります。

さらに、記録が蓄積されると、特定の拠点や時間帯で未実施が多いといった、運用上の課題を把握しやすくなります。制度の目的は処罰ではなく飲酒運転事故の防止であり、記録は運用改善につなげるための重要な材料となります。

参考:八街5人死傷事故2年 検査義務拡大も防げぬ飲酒運転
https://www.sankei.com/article/20230627-N2PGDCKP7JISXC5GD4T2BMGLHA/

基本手順(本人確認→酒気帯び確認→記録→保管)

アルコールチェックの実施手順は、基本形に以下の流れです。

①本人確認
②酒気帯び確認
③記録
④記録の保管

本人確認は、なりすまし防止の観点から重要です。特に、遠隔で確認する場合は、運転者の特定方法を明確にしておく必要があります。

酒気帯び確認は、目視などによる所見とアルコール検知器による測定の双方を実施します。測定値に問題がなくても、受け答えが不自然である、体からアルコールのにおいがする、などの所見がある場合は、再測定や上長確認を実施し、運転を認めない判断をすることが、事故防止につながります。

アルコールチェック記録簿は、ドライバーに対して酒気帯びの有無を確認した事実を証明するための資料です。ポイントは、単に「実施した」と書くのではなく、いつ・誰が・誰に・どの方法で確認したか・結果がどうだったかを追跡できる形にすることです。

記録簿が整っていると、事故発生時の説明責任を果たしやすくなります。逆に、記録が曖昧な場合、「適切に管理していなかった」と見なされ、企業としての過失や内部統制上の不備を疑われるリスクが高まります。

記録簿の位置づけ(証跡・監査対応・抑止効果)

記録簿の役割は、第三者に対して運用実態を説明できる証跡を残すことです。行政からの確認や社内監査、取引先による監査において、運用実態を示す根拠となります。

証跡として有効な記録にするには、記録項目に一貫性があり、空欄や曖昧な表現が少ないことが必要です。たとえば「異常なし」と記載されているだけでは、確認方法や測定値が分からず、後から検証できません。

アルコールチェックが持つ、飲酒運転抑止効果は、ドライバーが「確認され、その内容が記録される」ことを前提に行動する点にあります。そのため、運用が形骸化すると抑止力が低下します。記入後の記録簿の点検、定期的な運用改善を含めた運用体制で管理する必要があります。

酒気帯び有無の確認方法と結果の記録

酒気帯びの有無の確認方法の欄には、対面、電話、オンラインなど、実施手段を明記します。同じ「確認」でも、実施手段によって信頼性や本人確認の確実性が異なります。また、監査や事故対応時には特に重要な情報となります。

アルコールチェックの実施結果は、酒気帯びの有無に加えて、アルコール検知器を使用した場合は測定値を記載します。数値を記録しておくことで、運用が継続されているか、異常値が検出されたときにどう対応しているかを検証できます。

鈴与シンワートサービス紹介|白ナンバー事業者向け 安全運転管理者の業務支援はこちらから

紙での運用と管理のコツ

紙での運用は導入が容易な一方、回収・保管・検索・改ざん対策に課題が残ります。ミスが発生することを前提に、管理手順を整えておくことが不可欠です。

紙での管理はすぐに始められる反面、運用が形骸化しやすい点に注意が必要です。紙で運用する場合は、次のような課題が生じやすいため、あらかじめルールで補う必要があります。

紙運用で生じやすい課題
・回収が遅れる
・紛失する
・修正履歴を追跡できない
・必要なときに必要な記録が見つからない

また、監査対応を想定して、あらかじめファイリング方法を決めておくことも重要です。1年分の記録をただ保管するのではなく、必要な記録をすぐに探せる状態にしておくと、提示を求められた場合にも迅速に対応できます。

紙管理の注意点をまとめた画像

運用ルール(記入場所、回収頻度、押印/確認)

アルコールチェックの実施・記録に関する運用ルールで重要なのは、運行前後の業務フローに無理なく組み込むことです。

たとえば、アルコールチェックの実施・記入場所は普段の点呼場所に固定します。また、記入者は原則としてドライバー本人とし、代理記入を禁止することで、なりすましや事後記入のリスクを低減できます。

記録簿の回収頻度は運行のたび、または毎日回収しましょう。週次や月次にすると、紛失や未提出が増え、管理者の督促の手間も大きくなります。

また、回収後に管理者が確認した証跡として署名や押印、チェック欄を設けると記録の信頼性が上がります。重要なポイントは、誰が確認し、いつ確認が完了したのかを明確にすることです。

改ざん・紛失対策(施錠、複写、持ち出し管理)

紛失対策として、施錠できる場所での保管を基本にします。保管場所が決まっていない場合、机の引き出しや車内に放置されやすく、情報漏えいにつながるためです。

また、バックアップとして、定期的にスキャンし、電子データとして保管する方法も有効です。紙の原本を残しつつ、災害や水濡れに備えて電子コピーを保管しておくことで、事業継続(BCP)の観点でも安心です。

保管・検索性(ファイリング、索引、事業所別管理)

記録簿は、月次で綴じるなど、探しやすい単位で保管します。運転者別、車両別などの分類は、運用実態に合わせて管理者が短時間で探しやすい構成にします。

また、索引やラベリングを徹底すると、監査時の提示もスムーズです。事業所別に管理する場合は、保管責任者と保管場所を明確にし、移動や持ち出しが発生する際のルールも定めておきます。

紙で運用する場合も、閲覧権限の設定は重要です。鍵付きキャビネットで保管し、閲覧できる担当者を限定するだけでも、情報管理のレベルを高められます。

クラウドサービスを活用した運用と管理のコツ

クラウドサービスを活用した運用の主なメリットは、必須入力やアラート機能により未実施を削減できることと、検索・集計が容易であることです。

特に、複数拠点を持つ企業や、直行直帰が多い企業ほど効果を実感しやすい傾向があります。アルコール検知器を用いて呼気チェックを実施すると、測定結果が自動でクラウド上に記録・保管されます。そのため、未記入や記録の改ざん防止に効果的です。

クラウドサービスの特長、クラウド管理で解決できることをまとめた図解

検索・集計(未実施アラート、月次レポート、監査対応)

未実施アラートは、クラウドサービスを活用する大きなメリットです。運転前後の入力がない運転者を自動で抽出し、管理者に通知する仕組みを整えることで、未実施の放置を防ぐことができます。

月次レポートで部署別の実施率、未提出件数、異常発生件数などを可視化することで、現場の改善が促進されます。数字で見えるようにすることで、指導が属人的になりにくく、公平性も保つことができます。

また、監査対応では、指定期間のデータを速やかに出力できることが重要です。PDFやCSVなどで出力し、提出用に整形できる機能があると、突発的な照会にも対応しやすくなります。

記録・保管

クラウドサービスでは、記録と保管を自動化できます。また、管理者はクラウド上の一覧画面から、確認漏れや未実施を随時把握することが可能です。

紙での管理と異なり、記録・管理にかかる手間が大幅に削減されるため、管理者の負担を大きく軽減できます。

鈴与シンワートサービス紹介バナー|分散していた記録を「あさレポ」に集約

記録・保存を怠った場合のリスク

アルコールチェックの未記録・未保存は、法令違反のリスクだけでなく、事故発生時の対応や企業の信用に直結します。

アルコールチェックの運用に不備があった場合の主なリスクは次の通りです。

記録・保存が不十分な場合、行政からの照会や監査において運用実態を示すことができません。その結果、是正指導や追加対応が発生し、現場と管理部門の負担が急増します。

さらに、飲酒運転が発生した場合、企業がどこまで管理していたかが厳しく問われます。記録がない場合、「適切に実施していなかった」と判断される可能性があり、過失の評価や社会的信用に影響を及ぼします。

まとめ

アルコールチェックの義務は、「実施」だけでなく「記録・保存」までを含めて対応する必要があります。

・アルコールチェック対象者の確認
・記録簿の設計
・運用方法(紙/Excel/クラウド運用)の決定
・保存・監査対応

これらを一貫して整えることが、飲酒運転防止とコンプライアンス遵守の両立につながります。

アルコールチェックは、運転前後の確認を継続し、その内容を記録し、1年間保存できる状態にしておくことが求められています。

参考:警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/index-2.html

アルコール検知器を配備するだけでは不十分です。アルコール検知器を常時有効に保持し、異常時には運転を止めることも含めて運用を設計する必要があります。

記録簿は、誰が・いつ・誰を・どう確認し・結果がどうだったか、が追跡できることが重要です。紙・電子のいずれで管理する場合も、以下の点を押さえることで、監査や事故対応に耐えられる運用を実現できます。

・必須項目の統一
・記入ミス防止
・改ざん防止
・記録の検索性

アルコールチェックの実施と1年間にわたる記録保管は、管理者にとって工数負担の大きな業務のひとつです。

鈴与シンワートが提供する「あさレポ」は、アルコールチェックの記録・保管を自動化し、管理者の工数を削減しながら安全な運用体制の構築を支援するサービスです。

まずは、以下のリンクより資料をダウンロードしてみてはいかがでしょうか?

鈴与シンワート|「あさレポ」資料ダウンロードバナー
鈴与シンワート|「あさレポ」お問合せバナー
TOP
背景画像

お問い合わせ

「あさレポ」についてお気軽にお問い合わせ下さい