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コラム

公開日:2023.05.23 / 
最終更新日:2023.05.23

蒸しパンを食べるとアルコール検査(アルコールチェック)に引っかかるってホント?

アルコールを飲んでいないのに・・・

バス運転手が、仕事の直前に蒸しパンを食べたことで、乗務前のアルコール検査で「酒気帯び」と判定されてしまい乗務できない事例がありました。

アルコールを飲んでいなくてもアルコール検査で引っかかることはあるのでしょうか?

実は、アルコール成分を含んでいない飲食物でも「酒気帯び」と判定されてしまうことがあるのです。この場合の「酒気帯び」と判定されてしまう理由やどのような飲食物が検査に引っかかることがあるのか見ていきましょう。

お酒を飲んでなくてもアルコールチェッカーが反応するのはどうして?

アルコールチェッカーでチェックすると、お酒を飲んでいなくてもアルコールが検知されてしまう場合ケースがいくつかあります。

参考:「自動車総合安全情報ホームページ」

参考:「アルコール検知器協議会」

ケース1:アルコール検査前に摂取した飲食物にアルコールチェッカーが反応する

キムチ、味噌汁、蒸しパン、あんパン、エナジードリンクやノンアルコールビールなどに、アルコールが検知される場合があります。

キムチ、味噌、蒸しパンやあんパンなどは、製造過程で発酵をさせる、またはアルコールを使用することがあります。これらの過程を経て、僅かに残存したアルコールを検知してしまう場合があります。

また、ノンアルコールビールなどはアルコールが含まれていないように思いますが、微量に含まれていることがあるので検知される場合があります。

ケース2:喫煙が原因でアルコールチェッカーが反応する

タバコを吸うと呼気に一酸化炭素が残ってしまうことがあり、喫煙直後のアルコールチェックで検知される場合があります。

ケース3:口腔ケア用品にアルコールチェッカーが反応する

歯磨き粉、マウスウォッシュ、ミント系ガムなどには微量のアルコールを含む製品があるため、これらを使用した後にアルコールチェックをすると検知される場合があります。

ケース4:ケトン体にアルコールチェッカーが反応する

ケトン体は脂肪を分解するときに肝臓で作られる物質です。そのケトン体をアルコールチェッカーがアルコールと誤認してしまう場合があります。

ケース5:前日に飲んでいたアルコールが翌日まで残っている

アルコールの分解速度は人によって異なります。飲酒量や経過時間によって体内に残っているアルコールを検知する場合があります。

ケース6:周囲の物質にアルコールチェッカーが反応する

アルコールチェッカーの周りに消臭剤や芳香剤などがあり、それらに含まれるアルコールを検知する場合があります。

なんで蒸しパンを食べるとアルコールチェッカーが反応するの?

なんで蒸しパンを食べるとアルコールチェッカーが反応するの?

前述のとおり、バス運転手が乗務前のアルコール検査で道交法の基準には達していないものの、会社の規定を超えるアルコールが検知されたため「酒気帯び」と判定され懲戒処分を受けました。

その運転手は出勤前にコンビニで買った蒸しパンを食べたと証言しているそうです。イースト(パン酵母)は小麦粉や砂糖の糖質を分解する際にアルコールを発生させます。このアルコールがパンの中に微量に残存した影響で、アルコールが検知されたと考えられています。

バス会社は乗務直前に蒸しパンを含むアルコールチェッカーに検知されやすい飲食物を摂取しないよう、運転手に注意喚起したということです。

なんで発酵食品を食べるとアルコールチェッカーが反応するの?

蒸しパン以外にも、測定直前に発酵食品を食べたため、アルコールチェックで「酒気帯び」と判定されるケースがあります。

発酵食品は、発酵の過程でアルコールを生成し、そのアルコール分が食品に僅かに残存することがあります。精度の高いアルコールチェッカーの場合、このアルコール分を検知することがあります。これを防ぐためには、アルコール検査に引っかかりそうな飲食物を検査直前に摂取しないことが安心です。

なんで口腔ケア用品を使うとアルコールチェッカーが反応するの?

口腔ケア用品を使っていると、アルコールチェッカーがアルコールを検知することがあります。

口腔ケア用品そのものにアルコールが使用されているということが原因です。アルコールは口腔内の殺菌に有効な成分の一つですが、口をゆすいだとしても口腔内にアルコールが残っていることがあります。また、アルコール以外にもアルコール検知される成分が製品に含まれていることもあります。

アルコール検査の前に口の中を清潔にしようとする気遣いが、かえって検査に引っかかってしまう行為となる可能性があるということです。

アルコール検査の前に口腔ケア用品を使ってしまった場合には、水で念入りにうがいした後、数十分以上経ってから検査をするようにして下さい。

乗務前に飲まない方がよいノンアルコール飲料とその理由とは?

パンや発酵食品以外では清涼飲料水、栄養ドリンクや眠気覚ましのドリンクなどで、アルコールが検知されたとの報告があります。

参考:定期航空協会及び一般財団法人航空医学研究センター「飲酒に関する基礎教育資料」

多くのアルコールチェッカーの取扱説明書には、「飲食・喫煙・オーラルケア用品の使用直後には検査をしないように」という注意書きがあります。お酒でなくても、アルコール成分を含んだもの、きつい臭いのあるものを口にした後は、アルコールチェッカーが検知してしまうことがあるとのことです。

これらの誤検知はアルコール検査の数十分以上前に飲食し、その後にうがいをすることで防ぐことができます。

まとめ

飲酒をしていないのにアルコール検査でアルコールが検知される例をいろいろと見てきました。

どれも日常的に摂取する食品や利用する製品なので完全に避けることはなかなか難しいのではないでしょうか。

前日に飲酒した場合は、自身のアルコール分解能力を過信せず、飲みすぎない、アルコール検査までの時間を十分に空けるなどの対策をとることが重要です。

アルコールが検知されやすい飲食物や製品については、アルコール検査直前の摂取・利用は避け、飲食物の場合はアルコールチェック前によくうがいをするようにしましょう。

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