社用車ドライバーのアルコールチェックや健康管理、車両管理の重要性

社用車ドライバーのアルコールチェックや健康管理、車両管理の重要性

公開日:2023.7.11 / 最終更新日:2023.8.17

体調不良が原因とみられる事故

2023年6月18日、北海道で高速バスとトラックが衝突し、運転手と乗客あわせて5人が死亡する事故が発生しました。

事故発生の当日、トラック運転手は勤務前に体調不良を申告していたにもかかわらず、トラックを所有する会社は休日体制のため、ドライバーの体調不良を把握できていなかったこともわかりました。

出典:北海道新聞HP https://www.hokkaido-np.co.jp/article/869460/

ドライバーの体調不良を確認できていれば、交代ドライバーを手配するなどの対策をとることで、事故発生を防ぐことができた事例だと思います。
このコラムでは、運転前のアルコールチェック・健康管理・車両管理の重要性について解説していきます。

アルコールチェックの重要性

運転前のアルコールチェックは、酒気帯び運転による危険運転や事故を防止するために非常に重要です。

以前から「緑ナンバー」「青ナンバー」と呼ばれる事業用自動車のドライバーへのアルコールチェックは義務化されていましたが、2021年6月に千葉県八街市で発生した飲酒運転のトラックによる交通事故を受けて、2022年4月から「白ナンバー」事業者のドライバーに対するアルコールチェックが義務化されました。2022年4月の「白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化」の内容は、目視などによる確認と、確認記録を1年間保存することの義務化です。

2022年10月1日から「アルコール検知器を用いたアルコールチェック」が義務化される予定でしたが、延期となっていました。
しかし、2023年6月8日に警察庁から、アルコール検知器の使用義務化規定を2023年12月1日から施行する方針が発表されました。

2023年8月15日、警察庁はアルコール検知器の供給不足は解消したと判断したため、白ナンバー事業者に対するアルコール検知器の使用義務化規定を2023年12月1日から施行すると発表しました。

出典:警察庁HP https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/index-2.html

アルコールチェックの際に注意したいポイント

運転を開始する場所は、自宅や出張先、営業所など多岐にわたります。目の前に管理者が居ないケースも多いと思われるため、検知器で測定している動画を撮影する、AI顔認証などでなりすまし防止の対策ができるクラウドサービスを利用するなど、検知器を使用した人物がドライバー本人であるかどうかを確実に確認できる方法をとることが大切です。

健康管理の重要性

ドライバーの体調不良による事故のニュースをよく目にします。
実際、健康起因事故に対する事業者の意識の高まりなどにより、衝突・接触の有無にかかわらず、「健康状態に起因する事故報告件数」は増加傾向にあるようです。
定期健康診断や自覚症状など、睡眠障害・脳・心臓・消化器系疾患などの主要疾病に関する検査による疾病の把握は、事故を予防する上で非常に重要といえます。
もちろん、運転前に体調不良を感じた場合は、管理者に報告することも重要です。

健康状態に起因する事故報告件数

出典:国土交通省HP https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001477668.pdf

事業者が注意したいポイント

近年、運送業界などでは、「低賃金」「長時間労働」といった労働環境が要因となり、ドライバー不足が問題となっています。体調不良になっても代わりのドライバーがいないため、体調不良を申告せずに運転するケースも十分考えられます。
管理者は、ドライバーの急な体調不良に備え、普段から交代ドライバーを確保しておくなど対策を取っておくことが大切です。

車両管理の重要性

事業用自動車の安全対策として、事業者は、安全基準に適合するように自動車を維持する必要があります。点検には日常的に行う「日常点検整備」と定期的に行う「定期点検整備」があります。
ドライバーに問題がなくても、車両に問題があれば業務に支障が出るだけでなく、重大な事故を起こす原因となる場合もあり得るので、日ごろからしっかりと点検することをおすすめします。

日常点検整備の主な項目

・ブレーキ(ペダルの踏みしろ、ききが十分か、液量が適当かなど)
・タイヤ(空気圧が適当か、亀裂・損傷・異常摩耗がないかなど)
・バッテリー(液量が適当か)
・原動機(冷却水・エンジンオイルの量、ファンベルトの張り具合が適当かなど)

定期点検整備の主な項目

・かじ取り装置(パワー・ステアリングのゆるみや損傷など)
・制動装置(ブレーキ・ペダルや駐車ブレーキのきき具合など)
・走行装置(ホイール・ナットおよび同ボルトの緩みなど)
・緩衝装置(サスペンションの損傷など)
・電気装置(点火プラグの状態、点火時期など)
・原動機(低速及び加速の状態、廃棄の状態など)

出典:国土交通省HP https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/inspection.html

鈴与シンワートの運転前アルコールチェック&検温クラウドサービス「あさレポ」

「あさレポ」は、運転前にアルコールチェックと検温を実施し、専用のクラウドサーバにて一元管理するクラウドサービスです。
運転前に利用することでドライバーの酒気帯び運転や発熱時運転を予防します。
専用アプリのログインにAI顔認証を採用し、アルコールチェック時は専用アプリで測定中の顔を自動撮影するのでなりすましを防止します。

「あさレポ」の詳細はこちらhttps://saas.shinwart.co.jp/asarepo/

運転前アルコールチェック&検温クラウドサービス「あさレポ」運転日報オプション

「あさレポ」のオプションサービス「運転日報オプション」を利用すると、アルコールチェックと検温の測定データやユーザーの走行データ、車両点検・体調記録を一元管理することができます。

・ユーザーは、スマートフォンの専用アプリから車両点検・体調記録及び閲覧が可能です。
・管理者は、ユーザーが登録した記録を管理画面で一元管理が可能です。

「あさレポ」運転日報オプションの詳細はこちらhttps://saas.shinwart.co.jp/asarepo/dailyreport/

車両点検記録

車両点検記録

車両点検記録機能では、日常点検15項目が登録可能です。
また、管理画面から任意の点検項目を設定することもできます。

【車両点検項目例】

・エンジンルーム(ブレーキ液の量、冷却水の量、バッテリー駅の量など)
・クルマの周り(ランプ類の点灯・点滅、タイヤの亀裂・損傷の有無など)
・運転席(エンジンのかかり具合・異音、ブレーキの踏み残りしろときき具合など)
・その他(有効な運転免許証を持っているかなど)

体調記録

体調記録

体調記録機能では、体の健康に加え、心の健康のチェックも可能です。
健康チェック項目は管理画面で任意に追加・削除・変更の設定ができます。

【健康チェック項目例】

・心の健康チェック(気分はどうですか{快調・イライラ・焦り・しんどい・だるいなど})
・体の健康チェック(熱はないか、疲れを感じないか、眠気を感じないかなど)

走行記録

走行記録

「あさレポ」日報オプションを契約すると、走行記録の登録・管理ができます。
更に、指定のテレマティクスサービスと連携すると、運転日報が自動作成されます。

運転日報管理

道路交通法では、安全運転管理者が運転日報を備え付け、ドライバーに運転記録をつけさせることを義務付けています。運転日報で運転者の状況を把握することにより、長時間労働などの問題改善にもつながります。
運転日報の保管期間は、警察のガイドラインでは1年間、労働基準法では労働に関する書類は3年間保管する必要があるため、最低でも3年間は保管しておく必要があります。

「あさレポ」日報オプションを利用すれば、アルコールチェック・走行記録・体調記録・車両点検記録をペーパーレスで保管ができます。

-本機能は「あさレポ」のオプションメニューです。本機能単体での契約はできません-
※検温機能付の小型携帯用アルコール検知器(SEIKOIST株式会社製XENSE 82BTなど)が必要です

まとめ

業務中の事故は、会社にも使用者責任や運行供用者責任を問われる可能性があります。

クラウドサービスを利用することで、管理者は会社や自宅のPC、スマートフォンで運転前アルコールチェックの結果、車両点検記録、体調記録などを管理・保管ができるので、酒気帯び運転、発熱時運転などの危険運転防止やそれらを起因とする事故防止に向けて積極的に利用することをお勧めします。

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運転日報とは?https://saas.shinwart.co.jp/asarepo/post/asarepo016/

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